ポケモンブログ *。゚ ポケットモンスター セピアブラック&リリーホワイト ゚。*

ポケットモンスターセピアブラック&リリーホワイトという物語を連載!ポケモン画像、2chのポケモンスレ諸々、ポケモンカード等のポケモングッズ、今秋発売の新ポケモンシリーズブラック&ホワイト情報等々、ポケなトピをまとめています!

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

The 22nd story

The 22nd story
― Ice melts and Cherry Blossoms bloom ―
 
 
―――2年前、ヒメノシティ
 
小鳥達がさえずる並木が綺麗に整えられた街道。
はらりはらりと桃色の雪が降り積もる。
 
季節は、まだ肌寒い時期だった。
 
 
そこに、暖かそうなコートで体を包まれる少女が一人。
少女は、桜並木の下、一人ベンチで初めて見る桜の木を眺めていた。
 
 
ヒナ「………」
 
ボ~………
 
 
意識の薄い瞳。
 
母に逢わせたい人を呼んで来るからと待つよう言われた。
 
 
少女は、ただ意識なく背景を望んでいた。
そして、ボソリと小さな声で呟いた。
 
 
ヒナ「……キレイ………」
 
 
フオオオオオオオ………
 
風が強く吹く。
風が、足音を消したのだろう。
 
 
男性「……桜と言ってね、春の訪れを教えてくれる花なんだ」
 
優しい声。
何故か、男の声だと分かったのに、身構えない自分がいる。
 
男性「冬のまだ終わらない時期から芽を出して、春に備えるんだ」
 
少女は、ゆっくりと背後を振り返る。
 
やっぱりだ。
とても、優しい顔。
ママに似てる。
 
男性「冬を一生懸命に耐えて、芽吹き花を咲かせるとても綺麗な花…」
 
男性は、微笑ましそうに桜の木々を見て言った。
そして、シワを寄せて笑顔を作り、少女の方を見た。
 
笑顔。
まだ少女は笑顔を返せない。
 
けれど少女はその眼差しから目を背けなかった。
 
 
陽の照りが眩しい、
桜雪の舞い散る午後。
 
 
 
 
 第22話


 
この男の人は、ママのあたらしいおっとになるんだって
ヒナの、あたらしいお父さん
 
すごくやさしそうな人だけど、まだすこしこわい
 
おうちにおいてきたゼリーはさびしいって言ってないかな
まえのお父さんのときにゼリーはヒナをたすけてくれた
 
ゼリーはヒナのみかた
いつだって
 
 
 
………?
ママと、あたらしいお父さんがよんでる
……ママは、あたらしいお父さんとはなしてるときとてもうれしそう
 
でも、ヒナとおはなししてるときは、すごくかなしそう……
 
ママも、ヒナをきらいになったらどうしよう
ママにきらわれたらどうしよう
 
 
そんなふうにかんがえてたらママにおこられた
ママにおこられたのはすごくひさしぶり
さっきよりママにきらわれるのがこわくなった
でも、あたらしいおとうさんはわらってた
すこしだけ、ふあんじゃなくなった
 
ヒナがママのおはなしをきいてなかったのがわるいんだ
そしたら、あたらしいパパが、プレゼントがあるって
 
あたらしいおともだち。
パパのはじめてのプレゼント。
 
なまえは、パパがヒナにおはなししてくれたのからつけた。
 
ヒナも、キレイで好きだったから。
 
 
 
 
 
―――
――
 
 
―――アマギリシティジム前
 
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
 
冷たい風が往々に吹く。
 
突然沸いて出たホワイトに、思わず気を取り乱し、
ヒナホワイトをグーで殴った。
 
ヒナの突然の声に、氷の塔の下の観衆も、思わず二人を見詰める。
一方の、当事者のホワイトはと言うと、子どもとは言え、
思いっ切り殴られた頭を抱えてうずくまっていた。
 
ハッハッハッハッハッハッハッハッ
 
状況が、ヒナはよく分からなかった。
さっき、ゼリーがホワイトを攻撃したはずだ。
それこそ、無事であるように手加減したつもりはない。
その帰還の速さも問題であるものの、何を思ってか、また自分に
安易に近付いて、その上腕を掴んで、何かズルいだの言い出す始末。
 
意味が分からない。
意味が分からな過ぎてもう何が何だか分からない。
 
胸が、ドキドキドキドキと鼓動を打つ。
 
この、目の前で頭を抱えうずくまる白髪頭は何だ?
 
何なんだ!
 
 
 
ホワイト「………つッ」
 
ホワイトが静かに唸った。
 
ヒナ「ビクっ」
 
ホワイト「ぎ」
 
ホワイトが、何か言おうとその頭を言い掛ける。
ヒナは、それを冷や汗を掻いて見つめ―――
 
 
ホワイト「逆ギレ!!!?」
 
 
ホワイトが叫ぶ。
 
ホワイトヒナが悪いんじゃん!何で殴るの!!?」
 
 
ヒナ「………!………!!………」
 
ヒナが、何を言おうとしている訳でもないが、口を動かす。
 
 
ホワイト「―――それに」
 
ヒナ「………………」
 
ホワイト「手真っ赤。貸してみなよ」
 
と言って、ホワイトがまたヒナの手を握―――
 
 
ヒナ「………ッッッ!!!!」
 
ホワイトの手が触れた瞬間、ヒナはブンッと振り解く。
 
 
ホワイト「!何?無理したって腕とかもう真っ赤だよ」
 
ヒナ「………!………!」
 
ヒナが、フーフー言って身構える。
 
 
ヒナ「―――さい」
 
ホワイト「え?」
 
ヒナ「うるさッ」
 
ヒナがそう叫ぼうとした瞬間!
 
 
「ごアあォオおオぉオォォオォ!!!」
 
ヒナの背後から聞こえる唸り声。
凄まじい唸り声に、ヒナは思わず耳を塞ぐ。
 
 
ホワイトヒナ「………!!?」
 
ヒナは、少し首を回して背後を振り返る。
ホワイトは焦点の位置をヒナの背後にやる。
 
ラプラスジュゴンだ。
ラプラスジュゴンが仰け反り唸り声を上げている。
それを、横から不安そうに見るトドゼルガ
 
「ごおおおあああおお!!!」
 
ラプラスジュゴンの目は正気を失っている。
 
 
トドゼルガ「と……!」
 
トドゼルガが二匹に何か言おうとしたその時!
 
ジュゴン「じゅがあ!!」
 
背後から飛び上がり、ヒナの方に着地するジュゴン
 
ヒナ「っ!!?」
 
そして、ジュゴンヒナを抱え、下の氷壁へ!
 
ホワイトヒナ!?お前達、これ以上ヒナに無理させたらどうなるか分か」
 
飛び去ったジュゴンを目で追い、空を見上げたその時だ。
 
イィン
 
光。
冷たい光。
 
気付いたその時、ラプラスの口元にはエネルギーが収束され―――
 
 
ホワイト「ちょっ」
 
ラプラス「らぷらああ!!」
 
カッ
 
ドシュウウウウウウウウ!!!!
 
ラプラスの口元から発せられる冷凍ビーム!!
 
 
ホワイトジュノプス!!」
 
ホワイトは、氷塔から飛び降り、ジュノプスを呼ぶ。
 
ジュノプス「じゅな!!」
 
シュルッ!
 
氷塔の頂上の下で、ツルを氷に埋め込み、待機していたジュノプス
ジュノプスはツルを伸ばしてホワイトを抱える。
 
ホワイト「ありがとうジュノプス!」
 
ジュノプス「じょの!」
 
 
ブラックホワイト!!」
 
下から聞こえるブラックの声。
声に気付き、下を覗くと、氷の柱から顔を覗かせるブラックが。
 
ホワイトブラック!何やっての?変なトコから首出して」
 
ブラック「フォルスに炎で氷に穴を開けさせた!ホワイトもこっちへ!」
 
 
シュルル
 
ブラックの指示通り、フォルスの開けた穴へ行くホワイト
 
ホワイト「来たよ。でも今バトルちゅ」
 
ブラック「まだ言ってたか!バトルはもう終わり!ヒナちゃんを助ける!」
 
ホワイト「へ?」
 
ブラックヒナちゃんのポケモンは今もう正気を失ってる。分かるだろ?」
 
ホワイト「あーあぁ」
 
ブラック「このままだとヒナちゃんの身が危ない。だから俺達で助ける」
 
 
ホワイト「うん…まぁいいけど……」
 
ホワイトは納得行かなそうな顔をする。
 
ブラック「よし。これからフォルスがこの氷の柱に火で穴を開けるから」
 
ホワイト「今ヒナとかどこにいんの?」
 
ブラック「……元は海の上だった所。今は完全に凍ってるけど」
 
ホワイト「え?今海の方まで凍ってるの?気付かなかった」
 
ブラック「あぁ。けど問題は幾ら何でも氷雪系攻撃の威力が大き過ぎる事だ」
 
ホワイト「………どういう……?」
 
ブラックヒナちゃんが使ってた3匹以外に天候操作系のポケモンがいる」
 
ホワイト「天候操作?」
 
ブラック「それも相当なレベルの。ホワイト、作戦を伝える」
 
ホワイト「作戦?」
 
 
 
 
 
―――
 
ジュゴンヒナを連れ去ったそこは、一面氷で出来た、氷原。
氷の出来は煩雑で、およそ人が歩けるような場所ではなかった。
しかし、ジュゴンに抱えられたヒナは、無理矢理に氷原へ降り立った。
 
 
ヒナ「………ない」
 
ジュゴン「じゅが…?」
 
ヒナヒナを連れて行けなんて命令してない……!」
 
ヒナは、怒った顔で言った。
ジュゴン、そしてラプラスが、初めて見る、自分達に向けられた怒り。
 
ジュゴンラプラス「………………」
 
動揺した面持ちでヒナの顔を覗く2匹。
 
ヒナは、二匹を睨み付ける。
だが、ふと意識が遠のき、倒れそうになる。
 
フラッ………カシャン
 
倒れそうになるのを、両手で体を支えようとした。
だが、上手く行かなかった。
結局、腕全体で支えるような、異様なバランスの立て方になった。
 
ヒナ「んっ………」
 
ジュゴンラプラス「………ぁっ!」
 
2匹はヒナが倒れるのを見ているしかなかった。
ヒナは、何故自分が倒れてしまったのかよく分からなかった。
その体勢のまま、何故倒れてしまったのか考えようとした。
 
ホワイト「これ以上無理をしたら―――」)
 
ホワイトの顔が脳裏を過ぎる。
そう言えばいつの間にか手の感覚がない。
意識も朦朧としている。
あいつに腕を掴まれたときはまだ意識を持てた気がするけど。
 
ヒナはしぬのかな―――
 
 
???「クシャア」
 
意識も朦朧と消えそうになったその時、鳴き声がした。
ヒナはこの声を知っている。
ヒナを、心配してる声。
 
閉じそうになった目を、パッと見開く。
焦点を合わせた先には、水色の透き通った綺麗な身体をしたポケモンがいる。
 
ヒナ「……!…サクラ………」
 
グレイシア「れしあ………」
 
 
ヒナを見つめ、静かに歩み寄って来るグレイシア
2年前、パパが初めてくれたプレゼント。
今では数え切れないほどの数を貰ったプレゼントの中でも、一番大切なもの。
 
ヒメノシティでとても桜が綺麗だったから。
新しい友達のイーブイにサクラって名前を付けた。
 
 
 
ヒナ「サクラ………これ、サクラが命令したの……?」
 
グレイシア「………」コクリ
 
グレイシアが、ヒナの問いに対して真っ直ぐな目で返す。
ヒナから視線を外さず、据えた瞳で見続けるサクラ。
 
ヒナ「………………」
 
ヒナも、視線から目を背けようとしない。
だが、一瞬脳裏を過ぎるホワイトの顔。
 
ヒナ「………っ……」スッ
 
ヒナが、目を背ける。
 
 
グレイシア「れあ」
 
ヒナ「分かってる!サクラもラブもジュリもヒナを助けたんだって!」
 
ヒナが叫ぶ。
いつの彼女にない、鬼気迫る声。
 
ヒナ「分かってる……分かってるけど……でも……でも………」
 
 
ラプラス「………」
 
ジュゴン「………」
 
グレイシア「………」
 
 
ヒナヒナ、どうしたらいいか分からない………」
 
 
涙。
雫が、頬を伝る。
3匹が、初めて見る感情の起伏。
その塊。
 
どうすればいいのか分からないのは皆だった。
 
 
トドゼルガ「ぜらあっ!」
 
その時、先の氷の塔からヒナ達の元へやって来るトドゼルガ
 
 
ヒナ「ゼリー………」
 
 
 
―――ボシュウウウウウウ!!!!
 
 
皆がトドゼルガの方を望んだ瞬間。
突然、氷下から立ち上がる炎。
 
ゴオオオオオオオオオオ!!!!
 
ブオッ
 
立ち上がったかと思うと、消えてなくなる炎柱。
 
そして。
 
 
ホワイト「とうっ!!」
 
開いた穴から飛び上がってくるホワイト
 
タン!
 
ズル!グシャ!
 
見事着地を決めたと思いきや綺麗に転けるホワイト
 
 
ヒナ「………」
 
ホワイト「しまった…奇襲作戦が……」
 
こいつは転けたことには何もないのか、と浮かぶ。
思わず、口角が引きずり上がり掛けるヒナだが。
 
グレイシア「しあ!!」
 
いきなり、グレイシアヒナを引っ張る。
 
ヒナ「サクラ!!?」
 
ホワイト「まだ逃げるか!!追い掛けるぞジュノプス!!」
 
ジュノプス「じゅら!!」
 
穴から飛び上がってくるジュノプス
 
ダッ
 
 
―――
 
ホワイトヒナが走り去っていき、呆然となっている残りのポケモン達。
 
ブラック「―――っと……」
 
そこに、ブラックも出てきた。
 
ブラック「ほんと元気な奴だと思うだろ?で、どうする?」
 
ラプラスジュゴン「………」
 
ブラック「俺達も有り余ってるし相手してもいいけど」
 
ブラックは不敵に笑った。
 
 
 
―――
 
ダッダッダッダッダッ
 
氷原を逃げて走るヒナグレイシア
追い掛けるホワイトジュノプス
 
ヒナ「……!……サクラ……サクラ!!」
 
先の氷の塔の頂上付近にまで着いたその時、ヒナが叫ぶ。
 
 
ヒナ「もういい…もういいよ……」
 
グレイシア「ぐれ………」
 
ヒナヒナのわがままにこれ以上つきあってくれなくていい……」
 
 
グレイシア「―――………」
 
 
 
ガシャ………グシャ………
 
走るのをやめたヒナ達に、ホワイト達は静かに歩み寄っていく。
 
 
ホワイトヒナ
 
 
ヒナヒナはジムリーダーだから…こんな……」
 
これ以上の醜態は街を代表するジムリーダーの恥に外らない。
彼女は、そうちゃんと理解していた。
彼女は少しずつ成長していたのだ。
 
 
キシャッ
 
しかし、近付いて来るホワイト達に立ち構えるグレイシア
 
グレイシア「フー!フー!
 
 
ホワイト「―――……」
 
ヒナ「サクラ…もういい…これはヒナ達の負け―――」
 
 
 
―――ガシャコン
 
 
その時。
ホワイトの背後氷塔の下より響く謎の機械音。
一帯の重力が巨大化したのでないかと錯覚されるほどの、
重々しく、沈み込んだオーラ。
 
ヒナは無音の中でホワイトの背後のそれを目の当たりにした。
銀色の塊………?
 
ホワイトが背後を振り返ったその時には。
砲台のような何か自分……いやヒナ達を向いていた。
 
 
イィン
 
エネルギーが収束されるように、大砲の元に銀色の光が集まる。
 
 
 
ディアン「でぃあああああああ!!!!」
 
 
キイイイイイイイイイインンンンン!!!!
 
 
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
 
 
 
発射される高重圧のビーム!!
 
 
 
―――
――
 
ガラガラガラガラ………
 
氷の瓦礫の山。
 
ヒナ「うっ………」
 
ヒナが、静かに立ち上がる。
横では、グレイシアが横たわっていた。
 
ヒナ「………!サクラ……!!」
 
グレイシアヒナを庇って倒れたようだ。
体には、無数の傷が。
 
グレイシア「ぐれ………」
 
ヒナの呼び掛けに、グレイシアが答える。
何とか無事のようだ。
 
ヒナ「サクラ………良かった……」
 
 
ディアン「でぃあああああああ!!!!」
 
上空から響くディアンの轟音のような鳴き声!
飛び上がったディアンは、グレイシアに襲い掛かろうとする!!
 
 
ヒナ「―――!!!」
 
ヒナが、グレイシアを庇い、体を覆う。
 
ガシャアッッ!!
 
 
―――
 
ヒナは閉じた目を恐る恐る開ける。
綺麗にツタが網目状になったドーム。
ツタに、霜が付き、光りに照らされて綺麗だった。
 
 
ホワイトディアン。もう勝敗は決まった。もういい。下がれ」
 
ディアン「………………」
 
オン
 
そう言って、ホワイトはモンスターボールを掲げると、
ディアンはモンスターボールの中に吸い込まれていった。
 
 
 
―――
 
ザワザワ……ザワザワ……
 
再び目の当たりにすることが出来た、ヒナ達に、
氷塔の下のジム前で闘いを恐る恐る見守る人々は、
それでも固唾を飲み見上げるしか出来ない。
 
アミ「ヒナ………!」
 
カズ「ヒナちゃん………」
 
 
ヒナちゃん」
 
ヒナちゃん………!!』
 
 
 
ヒナパパヒナ………」
 
 
 
―――
 
ホワイト「ごめん。ディアンが余計なことして。大丈夫?」
 
氷の塔の上、ホワイトジュノプスに指示し、
ツタで作ったドームを解除すると、ヒナに手を差し伸べた。
 
 
ヒナ「………………」
 
 
目の前で、差し伸べられたままの手。
ヒナには、どうすることもできないまま。
少しの時間が流れる。
 
 
ホワイト「?」
 
ホワイトが、いつもと変わらない笑顔でヒナに笑い掛ける。
ホワイト本人は、事の発端が全て自分にあることなど、
思いもよらないことのようだ。
 
 
それでも、ヒナは恐る恐る手を伸ばす。
何度も手を引っ込めて、何度も手を伸ばして。
 
 
ヒナ「………………」
 
 
あと少し。
もう届くその時。
 
 
バキッ!
 
ヒナのいた場所の氷が砕け落ちる!
氷を支えるグレイシアの力の付与がなくなったことによって、
氷の柱はもう持たなくなっていた。
 
ヒナが塔の上から落ちる。
 
 
ホワイトヒナッ!!!」
 
ホワイトが叫んで、ヒナに手を伸ばす。助けようと。
 
ヒナ「(―――っ)」
 
だが、ヒナは手を咄嗟に引っ込めてしまう。
ヒナが落ちてしまう。
崩れた氷塔を下から見上げる人々も、咄嗟に息を飲む。
 
 
あ、…また…ヒナ……
 
 
どうすることもできず。
ヒナは落ちて行く。
 
ヒナは、恐くなって目を閉じた。
 
 
 
 
―――ギュッ
 
体を包まれる感覚。
あったかい。
冷たかった手に感覚が戻って来る。
ママに似てる?でも、パパにも似てる。
 
でも、知らない匂い。
ヒナとは違う匂い。
 
初めてだ。
でも、嫌いじゃない。
 
だれ?
 
 
 
ヒナは、ゆっくり目を開ける。
 
 
ヒナ「―――………」
 
ホワイト「バッカじゃないの。手を引っ込めるなんて」
 
ヒナ「………」
 
ホワイト「ダイビングしたはいいけど、ジュノプスが間に合わなかったら…」
 
 
ヒナは、ホワイトに抱き抱えられていた。
当のホワイトは、ジュノプスのツルに支えられ、
二人はゆっくりと下へと吊り降ろされて行く。
 
 
ヒナ「………」
 
ホワイト「聞いてる?ヒナ
 
 
ヒナ「………さい」
 
ボソリとヒナ
手が震えている。
 
ヒック………ヒック………
 
ホワイト「…ヒナ泣いてる……?」
 
ヒナ「うるさい……うるさい…!」
 
ヒナが、怒ったように声を出して、ホワイトの首に一層力強く絡みつく。
 
ホワイト「ちょっと力強い。痛いって」
 
 
ヒナ「うるさい。バカ。バカ!」
 
ポカっとヒナが頭をホワイトの頭にぶつける。
 
ホワイト「いでっ」
 
 
二人は、ゆっくりと外界に辿り着く。
同時に、二人の元に集まって来る人々。
その時初めて、ヒナが泣いていることに気付く人々。
いつもなら、ヒナに優しく声を掛けていたことだろう。
だが、その時誰もそれをしなかった、出来なかったのは―――
 
 
ヒナ「ヒック………ヒック………ヒック………」
 
 
ヒナは、ホワイトから離れようとしない。
ただ、ギュッとホワイトに抱きついていた。
 
 
ヒナ「ヒック…バカ………バカホワヒックイト………」
 
 
 
遠くの方で、何かが崩れる音がしている。
氷が解けて崩れ落ちている音だろう。
彼らの周辺にある氷も、解けて光りに照らされ、綺麗に輝く。
 
 
ヒナパパも、観衆と同じようにただ二人を覗いているしかなかった。
最初は、少し驚いていたようだが、少しずつ微笑を湛えて行く。
街の人達も。
 
 
ヒナパパ「ヒナ………頑張ったね」
 
 
 
長い長い冬の寒さを耐えて
芽は芽吹き、春の訪れに備える
咲いた桜は、ただ美しく、可憐で
 
 
 
 
 
 
22
― 雪解けて、桜 ―
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 第23話予告
 
 
スポンサーサイト

| 第3章 イシマ突入編 | 23:22 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

そうか・・・何で読みにくいか、ようやく分かった。
小説の場合、横読みじゃなく縦読みだから違和感を感じたのか・・・・・・
僕には横読み合わない・・・・・・・・・・・・

| 変鯛 | 2010/05/23 18:40 | URL |

Re: タイトルなし

ねらー(ネットをする人の意)には残念な適応だす

分かった英語か。

| CAZUMIN | 2010/05/24 02:07 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://pokemonsbrw.blog119.fc2.com/tb.php/77-2264f255

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。